あの時、私が歩いたフィンランド

暮らし

いつも愛用しているマグカップにコーヒーを淹れながら、ふと10年前の旅のことを思い出しました。

自由な時間を満喫するために

結婚を控えたあの夏、私はフィンランドへ旅に出ました。独身最後の自由気ままな時間を、自分のために思いっきり使おうと思ったのです。

できれば海外に、さて、どこへ行こう?と悩んだ末に、思い立ったのがフィンランドでした。

映画『かもめ食堂』のあの空気感が」大好きで、あの優しい時間が流れる世界に、自分も身を置いてみたくなったのです。

9月の初め、遅めの夏休みを取り、3泊5日という短い旅程に、訪れたい場所をぎゅっと詰め込みフィンランドの街を歩きました。

効率よく回れるように、森百合子さんの“3日でまわる北欧inヘルシンキ”とるるぶを読み込みました。

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あの時、私が歩いたフィンランド

フィンランドに到着したのは夕方だったので、この日はホテルでチェックインを済ませて荷物を置いた後、ホテルの前にあるハカニエミ・マーケットホールやその周辺のスーパーを散策をしました。

旅先の市場やスーパーって、入るときに少し緊張するのですが、その土地の暮らしぶりが垣間見れてとても楽しいんですよね。

かもめ食堂の映画の冒頭で、主人公のサチエさんが「フィンランドのかもめはでかい」と言うシーンがあるのですが、その通りでした。

2日目はまず、マリメッコファクトリーショップへ。ドキドキしながら地下鉄に乗って、何とかたどり着きました。

ファクトリーショップでは、お土産は悩みに悩んでアウトレットコーナーにあったウニッコ柄のプレートを購入。

いつかこんなインテリアを暮らしに取り入れたいと、未来の自分の生活を少し思い描いていていました。

お昼はマリメッコの社員食堂でおしゃれな社員さんに交じりながらブュッフェを堪能。

ファクトリーショップを後にして、そこからまた地下鉄とトラムを乗り継ぎ、アラビア工場へ。

ここで、10年経った今も、毎日愛用しているマグカップを購入しました。

それから、ヘルシンキの街をぶらぶらし、閑静な街角にある「カフェ・スオミ」で一日を締めくくりました。

かもめ食堂の舞台となったこのKAHVILA SUOMI。その当時、日本人の店員さんがおり、日本語で会話できたことにホッとして旅の疲れが癒された時間となりました。

3日目は、建築好きの私にとっては一生の思い出となるアアルトの自邸見学。

アルヴァ・アアルトの美学が詰まったこの空間はひとつひとつが息をのむほど感動しました。

アトリエには残念ながら行けたなったので、次フィンランドを訪れた時は必ず行きたいと思っています。

アアルト自邸の他にも、テンぺリアウキオ教会やウスペンスキー寺院、ヘルシンキ大聖堂、キアズマ美術館、カンピ礼拝堂、ヘルシンキ中央駅など、気になる建築を一通り巡りました。

途中、シベリウス公園を散歩し、カフェガレッタで休憩をとりました。

あの時食べたシナモンロールの香りは今でもふっと思い出します。

旅を終えて、心に残ったもの

慌ただしくも満ち足りた旅の最後、早朝にホテルの前をひとりで散歩しました。広場では蚤の市の準備をしている人がいて、中には目が合うとにっこりとほほ笑んでくれる人も。広場を抜けて海岸沿いに出ると、静けさの中を穏やかな風が通り抜け、心地良さを感じたのを今でも覚えています。

これまでにいくつか海外を旅したことはあったけれど、これほどまでに居心地の良さを感じた国は初めてでした。

この居心地の良さは、人もモノもちょうどよい加減を知っているからなのではないか。そんな気づきをもらった旅でした。

10年経った今、ふたたび思うこと

あれから10年。

当時の私には想像もできないほど暮らしは大きく変わりましたが、あの旅で出会ったものたちは、今の私の暮らしの中に小さく息づいています。

朝のコーヒーにアラビアのマグ、食卓を彩るマリメッコのプレート。

時間の使い方やモノとの付き合い方…あの旅の経験が今の暮らしのベースを作っていることに気づいたのです。

先日、「サンタさんはフィンランドにいるの?」「サンタさんに会いにフィンランドに行きたい」と子どもと話していたことで、夢がひとつできました。

“いつか、今度は家族と一緒に訪れたい。”

あの空気感をもう一度味わいたいし、子どもたちにも感じてほしいなと思ったのでした。

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